映画「秘密」大友監督が大森南朋演じるオリジナルキャラを出した真意明かす

清水玲子原作による実写映画「秘密 THE TOP SECRET」の公開記念舞台挨拶が、去る8月19日に東京・新宿ピカデリーで行われた。イベントには眞鍋駿介役の大森南朋と大友啓史監督が登壇した。

大友監督から抜群の信頼を寄せられる大森。2007年にドラマ化、2009年に映画化もされた「ハゲタカ」にはじまり、NHK大河ドラマ「龍馬伝」を経て今作でも2人はタッグを組んだ。大森が演じた映画オリジナルキャラクターの眞鍋は、死者の脳をスキャンし、生前に見た映像を再現するMRI捜査に嫌悪感を感じている叩き上げの刑事。死刑になった露口浩一を逮捕したことから、映画で描かれた事件の鍵を握る露口絹子の捜査に関わっていく。

開始早々設けられた質問コーナーで大友監督は、原作に登場しない眞鍋をどうして映画に入れ込んだのかという観客からの問いかけに「(生田斗真演じる薪が室長を務める捜査機関の)“第九”は公式の機関として認められていない。だから捜査権がないという設定なので、研究室の中にこもっていなきゃいけないから、外に出ていける人物を物語上作りたかったというのが1つ。あとは脳を覗くこと、つまり神の領域を侵す行為について全身全霊でNOを言う人間が必要だった」と真意を明かした。

またその眞鍋役に大森を起用した理由について大友監督は「『ハゲタカ』『龍馬伝』もそうですけど、キーポイントで大森さんを呼んでいるので。今回もそういうつもりで声をかけました」と語る。眞鍋という異質なキャラクターを「こずるいところとか欲望に忠実なところとか、キャラクターとして一番人間らしい。でも侍に例えるなら『最後は腹切りだよね』っていう話もしていて。自分の名誉を守るためにああいう最後を選んだんだ、と話していました」と大森とのやりとりを披露した。

大森は大友監督の話を受け、「監督が僕に求めてくるものって、その作品の中における特異なところ。今回もまさしくそういう役で。現場でもどんどん変えていきながら、監督と作り上げた感じです」と二人三脚となった役作りを語った。そして「あとはカッコいい3人が出ているんで。それに負けない中年のクサさみたいなのを出せたらいいなと」とサラリと言ってのけた。

舞台挨拶の中盤では、第九の副室長・岡部靖文を演じた平山祐介がサプライズで登場。印象的なシーンを尋ねられると、平山は織田梨沙演じる少女・露口絹子が炎に包まれていくシーンを挙げ、「絹子の視線が印象的で。女優さんってこうやって成長していくんだなと思いながら見ていました」と、本作でスクリーンデビューを果たした織田の成長に感嘆しきりの様子。

大森は自身の最後のシーンについて「なかなかの大芝居を打っている俺、みたいな(笑)。『もっとですか監督!?』『もう俺死ぬよ!』ってメッセージ伝えてるのに、ずっと(カメラを)回してるんですよ」と撮影エピソードを明かし、「『欲しがるなあ』っていつも思うんですよね」と本音を打ち明け、観客の笑いを誘った。

(c)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

(2016/8/20 16:44)

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