映画「デスノート」現場レポート、監督が死神のデザインへのこだわり語る

大場つぐみ、小畑健監修による実写映画「デスノート Light up the NEW world」の撮影が東京・日活調布撮影所で行われた。コミックナタリーではその撮影現場の様子をレポートする。

「アイアムアヒーロー」の佐藤信介がメガホンを取った本作は、藤原竜也がキラこと夜神月を、松山ケンイチが世界的探偵Lを演じたシリーズの続編。2人の死から10年後の世界を舞台に、6冊のデスノートを巡る物語が描かれる。

建物内に作られた荒廃した洋館のセットでの撮影には、メインキャストの東出昌大、池松壮亮、菅田将暉が集結。3人が揃う唯一のシーンということもあり、現場には緊張感が漂う。

作り込まれたセットでは、3人の思惑が錯綜する会話シーンやSATとの銃撃戦を撮影。佐藤がメインキャストやSATの俳優陣に細かに指示を出す中、火薬や風力機などの特殊効果を使用した場面が切り取られていく。また撮影の合間には、3人がリラックスした雰囲気で談笑する姿が数多く見られ、仲の良さが垣間見られた。

佐藤信介監督は「原作や前作に対する畏怖の念というのもありますが、怖気つかずにチャレンジしています」と述べ、「もちろん、『デスノート』の続きを作るというのは、それを聞くだけでものすごくトライアルなことだと思うのですが、今回は大場先生ともディスカッションしながら、ストーリーを作ってきています」と制作時を振り返る。前作にも携わった佐藤貴博プロデューサーは「大場先生的には『6冊ルール』を重要なルールとは考えていなかったそうで、そのルール使用について悩まれたそうです。ですが、『6冊ルール』を使うならば、死神が6冊のノートを人間界にもたらす理由をちゃんと考えましょうということになり、大場先生から死神界の思惑のアイデアをいただきました」と裏話を明かす。

映画の構成に関して佐藤信介監督は「デスノートを巡って推理をしていくある種の密室劇に、よりスピード感やより激しさ等、少し前作ともちょっと違ったようにできればと思っています。こういう『デスノート』もいいなと思ってもらえる新しい部分を見出そうと思い、アクションシーン等も投入しています」と説明。また死神の造形について「CGに関して言うと、より手応えのあるリアルな雰囲気を求め、死神に関しては、皮膚感・生な感じを出したいと思っています。デザインも、もう一度作り直しています。死神をアニメチックに描いているところは前作の魅力の一つだと思いますが、リュークに関して本作では、より緻密にリアルに計算しデザインしています」と前作との違いを述べる。

デスノート対策本部捜査官・三島創役の東出は「原作や藤原竜也さんの夜神月を何かしら受け継いではいるものの、そこに人間味と常識が備わっているところが大きなポイント」、Lの遺伝子を継ぐ竜崎役の池松は「あのLからどういう子供が生まれたのか?というところもポイントになるので、そこをベースに如何に戦うのかを日々考えています」、キラを崇拝するサイバーテロリスト・紫苑優輝役の菅田は「原作に出てくるLの2人の後継者=メロとニアからイメージを抽出したところがあります」とそれぞれの役作りについてコメント。佐藤信介はメインキャスト3人の演技への姿勢に対して「皆僕らが思っている“こうしたい”“ああしたい”を拡大解釈してくれていて、こんなアイディアはどうかと持ってきてくれています。それぞれものすごく役にはまっていて、話し合いながら作れているな思っています」と感心した様子で語っていた。

「デスノート Light up the NEW world」は10月29日より全国ロードショー。

(c)大場つぐみ・小畑健/集英社 (c)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

(2016/9/27 12:00)

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