映画「続・深夜食堂」撮影に密着、小林薫「帰ってきたなという感覚」

安倍夜郎原作による実写映画「続・深夜食堂」の撮影が埼玉の入間市で行われた。コミックナタリーではその撮影現場の様子をレポートする。

小林薫が主演、松岡錠司が監督を務める本作は、2015年に公開された映画「深夜食堂」の続編。「焼肉定食」「焼うどん」「豚汁定食」という3つのエピソードで構成され、この日は、倉庫に組まれた巨大なセットで「焼うどん」のエピソードが撮影された。「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」「バンクーバーの朝日」などを手がけてきた美術監督・原田満生によるセットは、壁のシミや道路のひびなどの細部も丁寧に作り込まれており、宣伝担当者によると、小道具のゴミ箱を本物と勘違いしゴミを捨ててしまう取材陣もいたとのこと。路地裏には松岡がアドリブで付けたという、ユーモアたっぷりの店名の看板が並ぶ。

現場にはマスター役の小林のほか、「めしや」近所のそば屋の息子・清太を演じた池松壮亮、その母親でそば屋を切り盛りする聖子に扮するキムラ緑子、清太の年上の恋人さおりを演じる小島聖、常連客役の宇野祥平と金子清文が集合。松岡と小林は顔の向きやセリフのタイミングなどについて、ひとつひとつ話し合いながら演技を組み立てていく。また松岡は、宇野や金子らの合いの手のようなセリフに対しても、声のニュアンスなどを論理立てて説明していた。

小林は「最初のドラマから数えると、足掛け7年もやっている作品だけに、セットに入ると懐かしいし、レギュラー陣と顔を合わせると、帰ってきたなという感覚になります」と作品に対する思いを吐露。また自身の役に対して「そんな中で僕が演じるマスターはあくまでも傍観者。ドラマはゲストの方にあるという筋立てですから、今回も客とは程よい距離感を保ち、深く関わらないというスタンスは変わっていません。役作りなんてことは考えず、今まで通り淡々と演じました。楽な役なんです」と冗談交じりにコメントしている。

原作マンガ「深夜食堂」はビッグコミックオリジナル(小学館)にて連載中。深夜しか営業していない風変わりな「めしや」を舞台に、やってくる客たちの人間模様を描く。映画「続・深夜食堂」は11月5日より全国ロードショー。10月21日からはNetflixにて、ドラマ版の新シリーズが全世界190カ国で同時配信される。

(c)2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会

(2016/10/7 10:00)

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