赤塚不二夫特集がユリイカ増刊号で、しりあがり寿や水野英子らが登場

発売中のユリイカ11月臨時増刊号(青土社)では、赤塚不二夫の特集が組まれている。

特集ではマンガ「おそ松くん」「まつげちゃん」の単行本未収録エピソードや、エッセイ「四畳半の西日」を掲載。しりあがり寿と安齋肇の対談では、赤塚の作画やギャグにまつわる話が繰り広げられている。また「U・マイア」のペンネームで赤塚や石ノ森章太郎と合作をしてきた水野英子へのインタビューも。当時仕事場として過ごしていたトキワ荘での思い出とともに、面倒見がよかったという赤塚の人柄が語られた。

そのほか谷川俊太郎による詩「これでいいのか」や、山下洋輔、高平哲郎らによるエッセイなども収録。巻末には寄稿者がおすすめ作品を紹介するブックガイド「マイ・フェイバリット・アカツカ」も掲載し、さまざまな角度から赤塚とその作品について紹介している。

ユリイカ2016年11月臨時増刊号 総特集=赤塚不二夫 -81年目のバカなのだ-

ナンセンスの大王

これでいいのか / 谷川俊太郎
『おそ松くん』再演 / 山下洋輔
ぼくの赤塚先生 一九六二年―二〇〇八年 / 高平哲郎

赤塚不二夫単行本未収録作品

おそ松くん
まつげちゃん

対談

語っても意味がない / 安齋肇×しりあがり寿

探究・赤塚不二夫

馬鹿本パニック・ルーム 「バカ塚不二夫」レトロスペクティヴ / 高山宏
ひみつの……ちゃん / 香山リカ
おフランスの現代思想ざんす 「真理の殉教者」としてのイヤミ / 小泉義之
『おそ松くん』と二重の身体 / 郡司ペギオ幸夫
『レッツラゴン』が鳴らす声 / 細馬宏通

自叙伝――単行本未収録エッセイ

四畳半の西日 / 赤塚不二夫

インタビュー

トキワ荘の三人組 / 水野英子(聞き手=編集部)

赤塚不二夫の/と戦後

赤塚マンガの原風景 「帝国日本」の落日が照らす孤独と情愛 / 山本昭宏
前のめり、つんのめって…… / 雑賀恵子

等身大のマンガ家

「ギャグゲリラ」のゾーン体験 / 平尾隆弘
[再録]天然痘? 『ギャグゲリラ』 / 赤塚不二夫
意味に無意味に意味を許すな / 上杉清文
これでいいのかっー!! / 山崎春美

時代と笑いの考察

赤塚不二夫と昭和の肉体 / 近藤正高
漫画家アイドル・赤塚不二夫 七〇年代という時代をめぐる一考察 / 太田省一
なぜテレビタレント・赤塚不二夫はスベっていたのか / 戸部田誠(てれびのスキマ)

解析・赤塚不二夫

共感のつまずきと情感 赤塚不二夫の少女マンガ作品について / 岩下朋世
西部の夕景、下町の夕景 一九六〇年前後の赤塚不二夫と「映画」 / 森下達
赤塚不二夫の遠近法主義 / 石岡良治
実験と精緻のマンガ / 可児洋介
マンガを信じた男 赤塚不二夫とメタマンガ / 三輪健太朗
「マンガ」の外へ 赤塚不二夫の一コマ政治諷刺マンガ、大人の学習マンガ、さわる絵本 / イトウユウ

赤塚不二夫から遠く離れられない

マイ・フェイバリット・アカツカ

(2016/10/26 17:10)

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