広瀬すずが「ちはやふる」続編のヒット祈願、新田真剣佑の改名は“新”から

末次由紀原作の実写映画「ちはやふる -結び-」の撮影現場取材が、昨日6月13日に滋賀・近江神宮で行われた。

近江神宮は「競技かるた名人位・クイーン位決定戦」をはじめ、競技かるたの大会が多数開催されることから「かるたの殿堂」「かるたの聖地」と称され、原作マンガや前作の映画「ちはやふる -上の句-」「-下の句-」にも登場。朱塗りの楼門の前では、綾瀬千早役の広瀬すず、真島太一役の野村周平、綿谷新役の新田真剣佑、大江奏役の上白石萌音、西田優征役の矢本悠馬、駒野勉役の森永悠希、小泉徳宏監督に加え、続編からの新キャストとなる花野菫役の優希美青、筑波秋博役の佐野勇斗、我妻伊織役の清原果耶、周防久志役の賀来賢人の総勢11名が和気藹々とした様子を見せながら、カメラに笑顔を向けた。

撮影後には広瀬、野村、新田、小泉監督による囲み取材が。2016年4月に行われた「-下の句-」の舞台挨拶にて続編の制作決定がサプライズ発表された際、ステージにへたり込んで号泣した広瀬は、そのときを振り返って「人生最大のうれし泣きでした」と語る。小泉監督が「サプライズと言っても、前振りとかあったんだろうと思ってたけど、みんな本当にびっくりしていて。(広瀬は)お客さんにお尻向けてましたもんね。後ろを向いてしゃがみこんでた」と笑った。

「ちはやふる -結び-」は5月7日にクランクインし、6月末まで撮影が行われる。前作は2015年の春夏に撮影されたため、続投キャストたちが競技かるたに触れるのは約2年ぶりだ。新田は「大好きなかるたをまたやれるのが本当にうれしい。体が鈍ってるかなと思ったんですけど、意外とそうでもなくて、札もちゃんと覚えてて。前作は自分の配置で覚えていたんですけど、今回はちゃんと新の配置で覚えようと思ってます」と気合十分な様子を見せた。

また新田はギレルモ・デル・トロ監督作「パシフィック・リム」の続編へ出演するため、「ちはやふる -結び-」の撮影前は海外にいたと話す。「海外にかるたを持っていって。『パシフィック・リム』では日本人の役だったので、劇中の抜けのシーンでかるたやってますから! 本当に!」とかるたへの熱い思いを吐露。さらに小泉監督が「『パシフィック・リム』の撮影直後、体がムッキムキだったんです」と新らしからぬ体型だったことを明かすと、新田は「体型は戻したくて、こだわりました。ちょうど11kg落として」と役柄に応じて肉体改造を施していると語った。

広瀬、野村、新田は、それぞれ新キャストにも言及。広瀬は瑞沢高校の競技かるた部の新入部員を演じる優希と佐野について「瑞沢全員がAB型だったんです。初めてAB型以外のメンバーが入ってきたので、最初は気を使ってたんですけど、明るくてノリもいいのですぐ打ち解けました。また瑞沢が一段と大きくなった。2人には助けてもらっています」と、すでに瑞沢メンバーに馴染んでいることをアピールした。また名人・周防久志役の賀来との共演が多いという野村は「“かっくん”は抜群の安定感があるんですよ。プライベートもずっしりしていて、先輩として尊敬できる1人。周防名人がかっくんで本当によかった」と独特の“大物感”を出し、周囲を笑わせる。新田は映画オリジナルキャラクターであり、新と同じ福井・藤岡東高校に属する現役準クイーン・伊織役の清原について「かるた合宿でかるたの取り方を練習してたんですけど、思っていた以上に強い。果耶ちゃんだけじゃなくて、藤岡東のみんながとても気合を入れてきて、リーダーの新としてはすごくうれしかったです」と顔をほころばせた。

この日の写真撮影の前に、近江神宮を詣でたという広瀬。「前作よりもたくさんの人にパワーアップした『ちはやふる』を届けられたら、と願いました。あと1年で10代が終わってしまうので、千早は今しかできない役。初主演をさせていただいた作品なので自分の中で大きくて。落ち込んだときや行き詰まったりしたときに、役柄同士だけじゃなくて、それを超えた何か繋がっているもので、側にいてくれる作品になったらいいなあと思いました」と続編への思いを口にした。

そして記者が末次とのエピソードを尋ねると、新田は「僕、名前のことで話しました。『あらた』って使っていいですかって」と、真剣佑から“新田(あらた)真剣佑”へ改名した思いを語り始める。「『ちはやふる』は僕にとって日本に来てすぐの作品。芝居の経験が浅かったなか、監督や『ちはやふる』と出会って、芝居を志すきっかけになった大きな作品なんです。だから新(あらた)から取らせていただきました」と演じる役の名前と同じ読みの名字を付けた真意を明かした。

それを聞いた野村はすかさず「俺らも名前入れなきゃいけないみたいな……野村太一周平にしようかな」と場を和ませる。新田が「初心忘れるべからずって思いも込めて」と話すと、野村は「俺の初めての仕事はたぶんPVだから、野村PV周平にしようかな」と茶化し、小泉から「君は初心を思い出したほうがいいよ」とつっこまれていた。

「ちはやふる -結び-」は2018年に公開。前作から2年後、高校3年生になった千早たちの最後の全国大会が描かれる。

(c)2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (c)末次由紀/講談社

(2017/6/14 05:00)

関連作品