「Fate」シリーズの魅力は?島崎信長「愛ですね」歴代アニメシリーズを振り返り

アニプレックスによるオンラインイベント「Aniplex Online Fest」が、太平洋夏時間7月4日から5日、日本時間5日から6日にかけて行われた。本記事ではアニメ「Fate」シリーズのプログラム「Fate Anime Project Online Gathering」をレポートする。

「Fate Anime Project Online Gathering」にはセイバー役の川澄綾子、間桐桜役の下屋則子、藤丸立香役の島崎信長、ジル・ド・レェ役、アーラシュ役の鶴岡聡が出演。「Fate」シリーズのアニメ作品よりTVアニメ「Fate/stay night[Unlimited Blade Works] 」、「Fate/Zero」、「衛宮さんちの今日のごはん」、劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」、そして「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」「劇場版Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-」を横断してのプログラムということで、めったにない座組による貴重なトークが繰り広げられた。

同プログラムでは4人がセレクトした各作品の印象に残るシーンを、映像を交えながら振り返っていった。「Fate/Zero」からは鶴岡がジル・ド・レェのラストシーンをピックアップ。当時のアフレコ現場では鶴岡と一緒にならなかったという下屋は、ほかの現場で初対面した際に「キャスターさんですよね。間桐桜です」と話しかけたという裏話も飛び出した。川澄はTVアニメ「Fate/stay night[Unlimited Blade Works] 」から主人公・衛宮士郎がギルガメッシュと対峙するシーンを選び、士郎の「武器の貯蔵は十分か」というセリフが流れる場面では、川澄と下屋が「カッコいいー!」と顔を見合わせてはしゃぐ姿も見られた。

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」からは複数のシーンがピックアップされ、まずは鶴岡が「第一章」より桜が士郎の帰りを待つシーンをセレクト。桜の霜焼けした足や、雪に残るいくつもの足跡に「あまりにもグッときた」と絶賛する。また島崎は、士郎と凛の会話を立ち聞きしてしまった桜が「取らないで……」と漏らすシーンをセレクト。同シーンを「全部好き」と話す島崎は、「僕は桜、全肯定です。まず環境が悪すぎる」と桜への思いを露わにした。そんな桜を演じる下屋は、「第二章」より、雨の中で桜が士郎に自身の秘密を明かす場面を選ぶ。「声優をやってきた中で初めて、心が震える以上に、体が震えてしまったシーン」と強い思い入れを語った。

「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」からは、鶴岡がイシュタルの初登場回を選び、「アニメを観て(スマホゲーム『FGO』の)イシュタルをレベル1から90まで上げた」と告白。また下屋が牛若丸のバトルシーンを挙げると、島崎は藤丸の「ダメだ」というセリフについて、「台本を読んでいるときは、『負けるからダメだ』という意識だったが、アフレコ現場で演技を見ていたら「牛若丸、勝てるな」という気持ちに変わっていった」と振り返った。

終盤では「Fate」シリーズの魅力を1人ひとりが語る。鶴岡は「いろいろな国や時代を超えて、歴史に名を刻んだ人が一堂に会したときの“もしも”の話が魅力」と表現。下屋は「聖杯とかサーヴァントといった共通のキーワードをもとに、これだけいろいろな物語が生み出される、無限の可能性を秘めている」と語った。島崎は「愛ですね」と切り出し、設定が細かいだけではなく、キャラクターの行動の理由が“強い気持ち”や“思い”であるから、キャラクターが生きていると思わされると熱弁。そして川澄は「『Fate』シリーズが大好きなクリエイターの方々の“好き”が集まって、ここまでつながっている。どんなものでも受け入れられる土壌がある」と、「Fate」シリーズの世界が広がっていく喜びを語った。

「Aniplex Online Fest」はアメリカ・ロサンゼルスで開催予定だった「Anime Expo 2020」の中止に伴い、世界各国のアニメファンが楽しめるよう企画されたイベント。アニプレックス作品のスタッフ・キャストが出演するトークや、関連ミュージシャンによるコメント映像やライブ映像、制作スタジオスタッフの座談会といったプログラムが、英語・中国語の2言語で世界に向けて配信された。プログラムの模様は7月13日16時までYouTubeにてアーカイブ視聴が可能だ。

※島崎信長の崎はたつさきが正式表記。

(2020/7/10 20:05)