10月。私たちの村では毎年この時期になると、大地の神に豊作を感謝し盛大に祝う。収穫した葡萄を踏むのはこの村の乙女の役目。私はこれが毎年とても楽しみなんだ。ロザリーと一緒に今年も葡萄を踏めたことが何より嬉しいの……。ロザリー、ずっと乙女のままでいてね…。私は10歳の時に孤児院からこの村に連れて来られ、ロザリー達と共に成長してきた。私はロザリーが大好きだ。貰いっ子でいつも一人孤独な私のささくれた心を、ロザリーは優しい言葉と暖かい笑顔で癒してくれる。私にはロザリーが必要なの。このぬくもりがずっと私だけのものであって欲しい。誰にも渡したくない……!なのに…ロザリーが結婚…!?嫌よ!そんなの絶対に嫌!!